2006
12.12

まだまだ未開拓のポイントが残る 台湾でのビッグゲームに挑戦!

Angler:鄧 淨維

春といえば台湾ではビッグゲームジギングの季節。ここ数週間の天気は安定していないが、ホッツのテスターである南さん、平松さん、そして私は、ホッツのジギングロッドやジグをテストするための釣行を去年から計画してきたため、何が起きようとこの計画を実行しようと努力した。
南さんと平松さんは午後8時頃に高雄空港に到着。日本からの長いフライトにもかかわらず、彼らは着いて間もなく着替え、タックルを準備した。すべての荷物を車に載せた私たちは、港に向けて約2時間のドライブを開始。釣り道具を船へ積み込むのに、更に約30分ほどかかった。台湾から北東の島までは、通常6時間かかるため、夜中出港だがポイント到着は朝の8時になっていた。最初のポイントは、40mから93mのドロップオフの地点で、そこからは130mまでカケ下がり。船長はポイントの潮の流れや風向きなどが正しいかなど、ポイントをチェックする間、私たち3人はタックルを持ち、船の後ろに並んで船長の合図を今か今かと待ち構えていた。

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船長からOKサインが出ると、私たちはすぐに3方向に向けてキャスト、ジグが海底に到達するのを待った。ジグに弱った魚の様にアクションをつけるために、ロッドの先端を持ち上げるのと同時にリーリングする。ジグは海底付近を左右へ飛び出していく。平松さんの最初のヒットまではそう時間もかからなかった。彼のフッキングは、まるで獲物を捕らえる弾丸のような速さであった。SW10000には、たった50ポンド(4号)のPEラインが巻かれている。魚はラインを約100m引き出し、少しの間止まった。平松さんがリールを巻き始めると、更に約70メートルほどラインを引き出した。平松さんの怪物的な力でその獲物を釣り上げるまで、このような繰り返しが続いた。53kgのイソマグロを釣り上げるまでたった12分しかかからなかった。平松さんがたった50ポンドクラスのラインとホッツのフェイクレジュ54Mで巨大なイソマグロを短時間で釣り上げたことが信じられなかった。

まだ興奮が冷めない中、私たちは再び釣りを開始した。先ほどと同じポイントに戻り、私は男ジグ200gのピンクゴールドを開発中のジギングロッド48Hにセットした。ジグをジャークし左右にダートさせた時、何らかの手応えを感じたため、強くフッキングしたが、ビクともしない。フックセットを数回追加すると魚が頭を振っている感触が伝わってきた。その魚は50mほどラインを引き出し、その力は半端なものではない。私は魚の動きを止めて上げようと体の全体重を預けるが、一度のリーリングで2~3m程しか巻けない。すると、魚は30m程、再び引き出した。3~4mの巻き上げに対して魚は5m程逃げていく。その時点では何の魚かを判断することは不可能であった。初めに私は、その重さからイソマグロの背掛かりかと思ったが、シルバーに輝く魚が水面から約15mの地点に姿を現した際に、「これは予想通り?」と自分に問いかけた。結局その獲物を釣り上げるのに約30分もかかってしまった。

水面に姿を現したその魚はモンスターのようで、60kg(死魚3日後の陸上計測)のGTで自己記録を更新した。後でわかったことだが、これは台湾での新記録でもあったらしい。船長も目にしている光景を信じられないようであった。このエリアでは20~35kgが通常らしいが、60kgのGTは初めてのことだったらしい。再び私は同じジグを落とすと直ぐに別のGTがヒット。60kgのGTを釣り上げた直後の30kgのGTだった。この数分後に、南さんも約20kgのイソマグロを釣り上げた。残念なことに、午後になって潮の流れが強くなってしまい、ジギングには向かなくなってしまったため、船長は別のスポットへの移動を決意した。色々とポイントを探し回ったがどこも同じであったため、この日はアンカーを下ろすことにした。

その日の夜、天候は悪化し、船中泊をしていた私たちは船を揺らす強風や高波のせいで一睡もできなかった。そして2日目の朝を向かえると同時にポイントを探しに出発した。やっとの思いで見つけたそのポイントは、理想的なドロップオフ・ポイントで、水深約30m~70mのところだった。そこでは根魚を釣ることはできたが、イソマグロはヒットしなかった。午後になってから、私たちは島に近づくため2時間ほど移動することにした。次のポイントは水深約70mで、最大130mまで深さがあるポイントだった。このポイントは島の裏側に位置していたため、強風が吹かずに釣りには最高のポイントだった。ここで最初にヒットを出したのは平松さんだった。彼が釣り上げた魚は昨日のよりも更に大きく、そして強いイソマグロだった。

この時に彼が使用していたのはSW10000に50ポンドのPEライン、ロッドはフェイクレジュ50Hであった。この巨大な魚はスピードがあり、一度で100m程泳ぎ、そして再び100m。最終的にその魚は動きを止め、ここからは平松さんの腕の見せどころ。リフトアップを約15分間繰り返し、魚は抵抗をしながらボートのすぐ下まで上がってきて、遂にその姿を現した。今回もモンスターのような71kgのイソマグロで、平松さんの自己記録が更新された。この巨大なイソマグロを船に釣り上げるのに3人の力が必要だった。みんなは興奮と歓喜に包まれ、特に平松さんにとってそれは感動的な瞬間だった。写真撮影も終了し、アンカーを降ろすスポットを探した。昨日はみんな睡眠不足であったため、この日は早く切り上げることにしたからだ。

image十分な休息を取った私たちは、夜が明ける頃に、昨日平松さんが71kgのイソマグロを釣り上げたポイントへと向かった。この日の朝は、先日よりも潮の流れが強かったため、ジギングには更なる体力が必要となった。私は500gのジグを使用し、最初に着底した。南さんと平松さんのジグが着底する前に、私は10kgのカンパチを釣り上げ、その間に今度は南さんにも獲物がかかり、彼は「イソマグロだ」と叫んだ。イソマグロは100m泳ぎ、多少は速度が落ちてくるもどんどん泳いで行った。イソマグロとの格闘は続き、やっとの思いで船の下約10mのところまで釣り上げた。私がギャフを持っている間に、南さんはその魚をゆっくりとリールで引き寄せ、遂に船の上へと釣り上げられた。今度のイソマグロはスリムで40kgしかなかったが、ちょっとした体格の差で50kgは超えていたかもしれない。何はともあれ、巨大イソマグロには変わりない。

40kgのイソマグロを船へと引き上げた後、南さんと平松さんと私は、キハダの群れを見つけ、何匹かを捕まえ、その他にも10~15kgのカンパチも釣り上げた。それから2時間が経過し、潮の流れも速くなってきたため、このエリアでの釣りは不可能となった。
そして私たちは6時間かけて港へと向かった。3日間に及ぶ釣りはとても長く、大変であったが、刺激があり、有益な時間を過ごすことができた。この旅で私たちは、3つの自己記録と1つの台湾記録を更新した。全体的にとても満足のいく旅であったことは間違いない。