2006
12.13

獲れなかった奴を獲る!攻めのGTロッド登場!

Angler:玉城 盛繁

お盆休みで帰省した友人から、GTを釣りたいと連絡が有り、ライトゲーム用の自作ルアーのテストを兼ね、出船することにした。
この時期の沖縄は、日中の日差しが強く影のないマイボートでは1日中投げ抜くのはかなりの体力を消耗するので、ここ最近では早朝からの出航が多くなってきた。

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出航準備のため早朝4時に港に着き、今回準備したタックル(琉神75XXH、79XH、ライトゲーム用にタイドレジュ67H)をボートに積み込む。2週間前のルアーアクションテストでは、タイドレジュ67HにラインはPE3号というライトなセッティングで10kg程のトレバリーを運良くキャッチすることが出来たのだが、「もしや、ビッグサイズがバイトしてきたら・・・」と不安になり、もしもの事を考えて今回はPE5号を巻いたリールをセットした。

未だ薄暗い5時頃、友人を乗せ港を静かに出航する。東の空がうっすらと明るくなった頃に最初のポイントに着き、ボートを潮上からエンジンを切って流しながらキャスト開始、漁探に映し出されるベイトフィッシュの反応は良く、潮も良い具合に流れるが風は無風に等しい、今日も暑くなりそうだ。
今にもGTが割って出そうな感じで、良さそうな状況の中キャストを繰り返すがGTからの反応は無い。日が登り、深場からの駆け上がりに多数の沈み根が点在する次のポイントへと移動することにした。次のポイントからはロッドを琉神からタイドレジュに持ち替え、ライトゲーム用のテストルアーを投げることにした、潮上から沈み根の有る方向へとボートを流す、PE5号に70lbのショックリーダーを組み合わせたラインシステムはタイドレジュのガイドをストレスを感じることなく抜け飛距離も問題はない。沈み根の手前で自分が投げたテストルアーに、猛烈にGTがバイトするが惜しくもフッキングには持ち込めず、すかさず友人がフォローで投げるが見向いてもくれなかった。この日初めてのバイトに高鳴る気持ちを抑え、再度アプローチを変えて流してみるが空しくも反応は無かった。

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水深が浅く複雑な沈み根が入り組んだ次のポイントで、水深15m位の根も無いフラットな場所から流し始め、テストルアーもポッパーからペンシルタイプのシンキングルアーへ変えキャスト、ロッドティップを下げルアーのアクションを確認しつつ操作するが、ロッドが軽量なのでスナップを利かした操作性は抜群に良く何より疲れない。
ルアーのアクションとロッドの感触を確かめながらの数投目、ロッドティップの動きを止める感触に軽くフッキングしてやると、ロッドは綺麗な弧を描きラインが出ていくが直ぐに止まり動かなくなった。地形的に沈み根手前の浅場なのでボートでフォローしながら深場へ誘導するファイトが始まった。急激に走るわけでもなく、首振りもせずゆっくりと動き出した魚はタイドレジュの復元力を利用したリフティングで徐々に浮きだすが、ロッドのパワーはまだまだ余裕が有り、ライトゲームの感覚で浮かせた魚体を見て驚いた。このロッド(タイドレジュ67H)は30kgのGTを8分という短時間で浮かすことが出来、魚の大きさを感じさせなかった余裕の有るロッドパワーは、更なるビッグサイズにも対応出来そうなポテンシャルを秘めているように感じた。この後、反応が無く帰港するが、本来GTをメインに狙うロッドでは無いが、運良くキャッチ出来た事が嬉しく思うのである。

GTだけを考えると琉神シリーズは欠かせない。全てのシリーズが沖縄の海でテストされたロッドだからだ。150gを越えるルアーでも操作性がよく、低活性の状況下でもストレスを感じる事なくルアーのアクションに集中できるのだ。

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日本国内のGTフィッシングはシビアである。GT自体の個体数の少なさもさることながら、限られたポイントでの長年のフィッシングプレッシャーも影響しているからだろう。キャプテンの経験や技術も大きく左右するのだが、キャスティングの正確性や遠投能力、ポイントの見極め、ルアー着水後のアクションからチェイス後の食わせのアクション、そしてファイトテクニックの全てが高次元でなければキャッチは難しい。ルアーを開発する上で重要なことは、結果を出すことである。つまり釣れなければ意味が無い。難しいからこそ結果がわかる。そう言った事から「日本のフィールド」に開発者としては拘るのである。チャグはそんな中でフィールドテストを重ね、バイトに持ち込む自信が持てるプラグに仕上がった。

新時代のマテリアルを採用したチャグは3次元モールドから作り出され、その形状は既存のGTプラグとは一線を画すリアルさとアクションを生み出す。ショートストロークでのゆっくりとしたジャークアクションを得意とし、ラインキャパシティーPE8号、250mほどの大型スピニングリール(ハイギアタイプ)とのマッチングでは、ハンドル1回転で2~3アクションが目安として開発されている。ジャークの力の入れ具合は、ブラックバスのトップウォータープラグと同じようなラインスラッグを利用した感覚で行うことにより、側面を見せつけるドッグウォークとスプラッシュを繰り返す。通常の発泡系プラグでは内部の比重は変わらないが、チャグは腹部と背中の比重(フォームの発泡倍率)を変えることでGTにアピールするクイックなアクションが可能なのだ。ポッパーでもなくペンシルでもない新発想のGTプラグである。